モノクロ*メランコリック
「…ごめん、美愛子」
ボロボロ涙を流す私を見て、シロは眉を寄せて謝ってくる。
シロが、こんな風に私を傷つけたことなんて、今までなかった。
彼はまるで、弱々しい子供みたいで。
「…恋人なんて、終わりがある関係、俺は耐えられない」
………終わりがある、関係…?
呆然とする私に、シロは再び謝ってきた。
「ほんとに、ごめん」
「…………」
喉の奥が、痛い。
ぼーっとする頭を無理矢理動かして、私はソファに置いた自分の鞄を手にとった。
そして、無言でリビングを出る。
シロは、ずっと俯いたままで。
「....ホットケーキ、ありがとう。美味しかったわ」
ささっと玄関で靴を履いて、立ち上がる。
「…お邪魔、しました」
低い声でそれだけ言うと、私はシロの家を出た。