モノクロ*メランコリック


…できれば笹原くんとは、良いお友達でいたいのだけれど。


文化祭までこのお誘いが続くのなら、少し考えものね。

なんかちょっと、度が過ぎている気がするし。


いくら舞台の上では白雪姫と王子様でも、ここでは普通にお友達よ。

ほら、周りのクラスメイト達が、なんか頬を赤くしてこちらを見てるじゃない。絶対誤解されたわよ、どうしてくれるの。


私はため息をつきたい思いで、子供を諭すように「笹原くん」と呼んだ。


「それが本当の本当だったとしても、無理です。ごめんなさい」

「えー、ミアちゃん、つめてえなぁ」

「ほら、早く練習に戻るよ」


そう言うと、笹原くんはしぶしぶ台本を持つ。


…まったく。シロのことだけでも、私の頭の中はパニックだっていうのに。

手に負えないわ、勘弁してちょうだい。




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