モノクロ*メランコリック
文化祭まで誘われ続けたらどうしよう、と私はぼんやり考えた。
*
-真白side-
「ほーい、じゃあ明日はがんばろーっ!」
クラスみんなで円陣を組んで、おー、とみんなで気合を入れる。
明日の控えた文化祭の最終準備は、思っていたより遅くまでかかった。
「じゃあ俺、このプリント先生に出してから帰るよ」
「サンキュー、真白。明日はがんばれよ王子。じゃあな〜」
友達が手を振って、教室をあとにする。
クラスメイト達がぞろぞろと帰って行く中、俺は出し忘れていたプリントを職員室へ出しに行くために、教室を出た。
…ここ数日で、『王子』があだ名のように扱われ始めたな、と感じる。
もともと、王子なんていう柄じゃないんだけど…
職員室の用事が終わって、引き返す。
人通りの少ない廊下は、差し込む夕日の橙で染まっている。
その途中で、俺は足を止めた。
「真白」
聞き覚えのある声が、俺の名前を呼ぶ。
見ると、すぐ先に女子生徒の上靴が見えた。