モノクロ*メランコリック


文化祭まで誘われ続けたらどうしよう、と私はぼんやり考えた。






-真白side-



「ほーい、じゃあ明日はがんばろーっ!」


クラスみんなで円陣を組んで、おー、とみんなで気合を入れる。


明日の控えた文化祭の最終準備は、思っていたより遅くまでかかった。


「じゃあ俺、このプリント先生に出してから帰るよ」

「サンキュー、真白。明日はがんばれよ王子。じゃあな〜」


友達が手を振って、教室をあとにする。

クラスメイト達がぞろぞろと帰って行く中、俺は出し忘れていたプリントを職員室へ出しに行くために、教室を出た。


…ここ数日で、『王子』があだ名のように扱われ始めたな、と感じる。


もともと、王子なんていう柄じゃないんだけど…



職員室の用事が終わって、引き返す。

人通りの少ない廊下は、差し込む夕日の橙で染まっている。

その途中で、俺は足を止めた。



「真白」


聞き覚えのある声が、俺の名前を呼ぶ。

見ると、すぐ先に女子生徒の上靴が見えた。



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