モノクロ*メランコリック
溶け合うモノクロ
『あなたは、一体何に怯えてるの?』
そう、りさは言った。
尋ねてはいるけど、たぶんもう彼女はわかってる。
俺がまた黙ると、りさは右手を出して、指折り提示してきた。
「ミアと付き合って、いつか仲違いして、幼なじみ以下の関係になること?」
「………」
「それともミアと付き合って、自分の内面をミアに晒すこと?」
「…………りさ、」
「はたまた、ミアへの強すぎる想いが周りにバレて、『白馬の王子様』が崩れちゃうこと?」
「りさ!」
苦い顔をした俺に、りさはフッと笑って、「全部ね」と言った。
「ミアの話を聞いてて、ずーっと思ってたのよ。ずーっとね。特に、真白がミアに『学校で話しかけるな』って言ったらしいところから」
「…………」
「あれ、単に『学校でいじめたくないから』だけじゃないでしょ?本当は真白も、学校で猫かぶってるもの。ミアに構いたくて構いたくて仕方ない、でもそれを我慢してる」
あまりの責められようにムッとした顔をすると、りさは楽しそうに笑った。
…この小悪魔。
美愛子以上にタチが悪い。
俺が困ってるの見て、絶対楽しんでるだろ………。