モノクロ*メランコリック
りさはまた笑うことをやめて、じっと俺を見てきた。
「わかってると思うけど、ここからが本題ね。…怖いんでしょ、真白。恋人関係になって、やがて終わりがくること。母親が、出て行ったときみたいに」
…やっぱり。
りさは、わかっていた。
俺がまだ、幼い頃に母親が出て行ってしまったことを、根に持ってること。
怖いんだ、俺は。
あんなに仲が良かった両親も、不満を募らせて離婚した。
母親が出て行った、あの後ろ姿が忘れられない。
『恋愛には、終わりがある』。
そう、子供ながらに思ったんだ。
「…もしミアと別れることになって、あたし達三人の関係が崩れるくらいなら、付き合わないでいた方がいい」
「………」
「そう思ったんでしょ」
「…うん」
その通りだ。
それでも、俺は美愛子から離れられなかった。
いつかは美愛子に対する感情も消えて、他の女の子に目を向けられるだろうって。
…けど、無理だった。