モノクロ*メランコリック
「なにっ、なにっ!なんなの!?」
「落ち着きなさい。とりあえずリビング行きましょ」
りさは、慣れた手つきで私のリビングの扉を開ける。
わたわたと慌ててコーヒーを出すと、私より甘いものを好む彼女は「苦い」といやーな顔をした。
アハハ…私の家に来るのはシロがほとんどだから、つい苦くなっちゃうのよね。
シロは、甘ーいお菓子を作ったりするけれど、本人はそんなに甘いものを好まない。
「…まぁいいわ」
りさはコーヒーカップをテーブルに置くと、静かに話しはじめた。
「…今日の放課後、真白と話をしたの。あたしの予想は、おおかた当たっていたわ」
床に正座する私を、ソファに座ったりさがまっすぐに見つめてくる。
…ふたりが、話をしたのね。
私のために行動してくれたりさが、すごく頼もしく感じた。
「真白があんたと付き合わないのは、ちゃんと理由があったの」
「…ええ。その、理由って?」
「小学生の頃に出て行った、真白の母親よ」
…え……
シロの…お母さん?