モノクロ*メランコリック
今は、教室で衣装合わせ中。
りさを含む衣装係の五人が、一生懸命作ってくれたものだ。
ひとりの衣装係の子にべた褒めされ、思わず口角が上がる。
「えへへ…ちょっと恥ずかしいな」
「自信持っていいよ、ミアちゃん!超可愛いから!優秀賞間違い無しだよ!」
やだわ、そんな。照れちゃうじゃないの。
私はドレスの裾を持つと、お姫様のようにひらりとお辞儀をして見せた。
「みんなが、頑張って作ってくれたおかげだよ。ありがとう」
頬を染めて笑うと、りさ以外の衣装係の子達が、一斉にぎゅっと抱きついてきた。
「もうっ、ミアちゃん可愛い〜!」
「頑張って良かったぁぁ〜!」
みんなの努力の結晶だものね。
劇、頑張らないと。
「じゃあ、行ってきます」
よし!と気合を入れると、私は教室のドアの方へ向かう。
みんなは「行ってらっしゃい」と手を振ってくれたけど、りさだけは違った。