モノクロ*メランコリック
スマホをひらひらとさせて、口パクで『頑張れ』と言ってくる。
私は大きく頷くと、教室を出た。
…そう。
私は今から、シロを探しに行く。
そして、話をつける!
りさに目撃情報が入ったら、スマホで教えてくれるみたいだし。
今日の私はお姫様なのよ。行けるわ!
そう意気込んで、私は歩き始めた。
*
…のに。
あれから、二時間。
まったく見当たらないって、どういうこと!?
そろそろ足痛いし、疲れてきたわよ。
まだ劇の前なのに、体力使わせるんじゃないわよ、早く出てきなさいよー!
悔しくなってきて、それでも必死に辺りを見回す。
廊下は宣伝係の生徒達が歩き回ったり、模擬店の食べ物を持って歩く生徒がいたり。
…それにさっきから、視線を浴びるのにも疲れてきたわ。
確かに一応宣伝も目的だから、見られてナンボだけれど。
人が多く、ざわざわと騒がしい校内でも、私の姿は目立つようだった。