モノクロ*メランコリック


スマホをひらひらとさせて、口パクで『頑張れ』と言ってくる。

私は大きく頷くと、教室を出た。


…そう。

私は今から、シロを探しに行く。

そして、話をつける!


りさに目撃情報が入ったら、スマホで教えてくれるみたいだし。

今日の私はお姫様なのよ。行けるわ!


そう意気込んで、私は歩き始めた。






…のに。


あれから、二時間。

まったく見当たらないって、どういうこと!?


そろそろ足痛いし、疲れてきたわよ。

まだ劇の前なのに、体力使わせるんじゃないわよ、早く出てきなさいよー!


悔しくなってきて、それでも必死に辺りを見回す。


廊下は宣伝係の生徒達が歩き回ったり、模擬店の食べ物を持って歩く生徒がいたり。


…それにさっきから、視線を浴びるのにも疲れてきたわ。


確かに一応宣伝も目的だから、見られてナンボだけれど。

人が多く、ざわざわと騒がしい校内でも、私の姿は目立つようだった。


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