モノクロ*メランコリック
「そっか。頑張ってね」
…本当にいい子ね、柳田さん。
彼女ならきっと、いいひと捕まえて、幸せになるんでしょうね。
「ありがとう。じゃあね」
「うん。バイバイ」
柳田さんと別れて、体育館へ歩き始める。
すると、後ろから迫力のある声が「姫宮ぁ!」と呼んできた。
驚いて振り返ると、そこにいたのは狩人姿の竜崎くん。
…なんだか、可愛いわね。
いつもは着崩したブレザーだからか、狩人の衣装は新鮮だわ。
ていうか、全然ヤンキーっぽくない。
怖さ半減。小学校の体操服を着た熊くらい面白いわ。
思わず笑ってしまうと、竜崎くんははずかしそうに「笑ってんじゃねえ」と言った。ごめんなさい無理。
笑うのをやめずに肩を震わせていると、竜崎くんは諦めたようにため息をついた。
「…姫宮。お前、今から体育館か」
「うん」
「そうか。ならちょうどいい。俺も一緒に行く」
「…白雪姫と狩人が一緒に歩くなんて、絵面やばいよ」
「うるせえ」
ああ、面白い。
見た目ヤンキーなのに、実は弟思いのいいお兄ちゃんな竜崎くんは、狩人にピッタリよね。