モノクロ*メランコリック


校内をこれ以上探しても意味はないと思い、私は校舎を出た。


校舎の前でも出し物が広がっていて、騒がしい。

宣伝のための着ぐるみを着た生徒などもいて、白雪姫の姿をしていても、私が浮くことはなかった。


周りを見回して、王子様の格好をしたひとを探す。


…シロ。

シロ、シロ、シロ。


どこにいるのよ、なにしてるのよ。


私は今すぐ、伝えたいことがあるのに。


その瞬間、中庭の方からマイクを当てた大きな声が聞こえた。



「ハーイ、こちら二年一組、“告白大会”やってまーす!好きな人への告白から、過去の懺悔まで!とにかく言いたいことをぶちまけちゃって下さ〜い!」


中庭の中心に設置された高台の上で、男子生徒の声が響き渡る。

私は、気づけば中庭へ駆け出していた。



「…や、やりたいんですけど!」


高台の前で声をかけると、マイクを持った先輩が、「おおっ」と盛り上がる。


「これはこれは白雪姫!いいですよー、一体なんの告白ですか!?」


司会者になりきってるわね、この人。

高台に上がるよう言われ、階段を上る。

高台に立つと、人々が一斉にこちらを見上げてきた。


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