モノクロ*メランコリック


私は渡されたマイクをぎゅっと握りしめると、言う。



「…迷子の、愛犬に!」



私の口が、大きく開いた。






-真白side-


…そろそろ、劇の片付けが終わる頃かな。


そう思っていると、『その人』は案外早く校舎裏へ来た。


「…え、進藤…真白…?」


王子姿で校舎の壁に寄りかかって待っている俺を見るなり、笹原は眉を寄せる。


…たぶん、女子からの呼び出しだとでも思ったんだろう。

こんな文化祭の真っ只中で、告白するような暇のある奴は、恐らくいない。


「え、俺、場所間違えた…?」

「間違えてないよ。合ってる」


そう言うと、笹原は今度こそ意味がわからないという顔をした。


「お、俺を呼び出したの、進藤…?」

「うん」

「はぁ?なんの用だよ」


脱力したように、笹原は一気に肩を下げる。



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