モノクロ*メランコリック
君に捧げる、秘密の告白
「シローーーーーーっ!!」
天使ミアちゃんとして、未だかつて出したことのない声量。
中庭にいる人々は一斉にこちらへ振り返り、校舎にいる人達も、なんだなんだと窓を開け始めた。
「ええっ、今の声、ミアちゃん!?」
「誰に告白すんの!?」
「えっ、でもさっき、『迷子の愛犬に』って…」
近くから、知り合いの女子たちの声が聞こえてくる。
…ええ、そうよ。
愛犬の呼び出しに、使わせてもらうわ。
司会者も驚きの大声を出した私は、もう一度大きく息を吸い込んだ。
そして、叫ぶ。
「どこにいるのシロっ、何してるのシロ!私はこのままでいいなんて、思ってないんだからね!早く帰ってきなさーーーい!!」
このくらい出せば、校内のどこにいても、聞こえるはず。
ざわざわとした騒がしい空気の中、人々が驚いた顔をして私を見上げる。
けれど気にすることなく、私は叫び続けた。