モノクロ*メランコリック
私は溢れそうになる涙を堪えて、ぎゅっときつく、目を閉じた。
「…っ終わりなんて、来ない!…っ、ぜ、絶対、絶対絶対、来ないんだから!…私達が今まで過ごしてきた十年以上、そんな簡単に壊させない!」
ず、と鼻をすする。
私なら、できるわよ。
未来のことは、わかんないけど。
でも、シロを幸せにする自信なら、誰よりもある。
胸張って言える。
シロが世界一好きなのは私で、シロを世界一好きなのも私。
私の彼氏になるのも、旦那さんになるのも、シロじゃなきゃ嫌。
シロじゃなきゃ、考えられない!
マイクを持つ手のひらをぎゅっと握りしめ、「だから」と涙声で言った。
「…っもっともっと、言いたいことがあるの。顔見て言いたいことが、たくさんあるの。…だから帰ってきて。絶対、幸せにするから」
流れてくる涙を、手の甲で拭う。
いつの間にか高台の周りに集まっていたギャラリーに、ペコリとお辞儀をした。