モノクロ*メランコリック
「…以上です。ありがとうございました」
私を気遣うような顔をする、司会者の先輩に、マイクを返す。
中庭中に、人々の拍手が響き渡った。
「感動した!」
「早くシロくん、見つかるといいね!」
「元気出して、ミアちゃん!」
…うう。
シロにさえ伝われば、いいと思ってたのに。
私は恥ずかしくなってきて、逃げるように中庭を出た。
*
-真白side-
…そういえば、中庭でなんかしてたっけ。
告白してみませんか、みたいなやつ。
美愛子の、『迷子の愛犬へ』の告白は、どうやら終わったみたいだ。
…『絶対幸せにする』なんて、美愛子らしいなと思った。
「…い、今の、ミアちゃん…?シロって、犬かなんかか」
美愛子の話を聞いていた笹原が、目の前で苦笑いを浮かべる。
「たぶんね。…その犬のこと、相当好きなんだろうね」
そう言って、俺は笑う。