モノクロ*メランコリック


「ヒュー!」

「いいぞー、真白!」

「やれやれー」


シロと仲の良い男子達が、面白そうに盛り上げている。

私の近くには、シロの言う『体育館に来ているらしい、好きな子』を探して周りを見回す子もいた。怖すぎだわ。



ドキドキしながら、ステージに立つシロを見上げる。

…見てるわよ、私。


ここに、いるわよ。



シロは前を向いて、そして話し始めた。


「…この前は、…その、ごめん。俺も、馬鹿だったと思う。あんな風に突き放しても、なんの意味もなかった」


凛としたシロの声が、響く。

観客の声は消え、みんなが静かに耳を傾けた。


「君が言う通り、俺はずっと気づいてた。俺のことをずっと想ってくれてることも、けど素直になれなくて、なかなか言えずにいたことも」


そしてシロは、少しだけ頬を染めて、はにかんだ。


「…そういうとこが、可愛いなぁと思ってるんだけど」


…観客席が、わぁ、と静かにどよめく。



< 340 / 361 >

この作品をシェア

pagetop