モノクロ*メランコリック
「ヒュー!」
「いいぞー、真白!」
「やれやれー」
シロと仲の良い男子達が、面白そうに盛り上げている。
私の近くには、シロの言う『体育館に来ているらしい、好きな子』を探して周りを見回す子もいた。怖すぎだわ。
ドキドキしながら、ステージに立つシロを見上げる。
…見てるわよ、私。
ここに、いるわよ。
シロは前を向いて、そして話し始めた。
「…この前は、…その、ごめん。俺も、馬鹿だったと思う。あんな風に突き放しても、なんの意味もなかった」
凛としたシロの声が、響く。
観客の声は消え、みんなが静かに耳を傾けた。
「君が言う通り、俺はずっと気づいてた。俺のことをずっと想ってくれてることも、けど素直になれなくて、なかなか言えずにいたことも」
そしてシロは、少しだけ頬を染めて、はにかんだ。
「…そういうとこが、可愛いなぁと思ってるんだけど」
…観客席が、わぁ、と静かにどよめく。