モノクロ*メランコリック
「……柳田華菜。真白と同じクラスの子よ」
ふたりの姿がだいぶ遠のいたところで、りさがそう言った。
……柳田さん。
とても純粋そうな、女の子。
私はほぼ衝動的に後ろを振り返って、ふたりの後ろ姿を見つめた。
…まっしろな、ふたり。
綺麗な、ふたり。
…いいな、いいな。
驚くりさを無視して、私は口を大きく開いた。
……私は、ずるい子だもの。
漫画のヒロインみたいに、まっすぐな恋なんてできないわ。
「…進藤くん!」
力一杯出した声に、シロは目を見開いて振り返った。
柳田さんも、驚いたようにこちらを見ている。
「…ミア…」
りさが隣で、複雑そうな声を出した。
…わかってるわよ。
なんて、嫌な子。彼女じゃないくせに、嫉妬深くて。
シロに、学校では話しかけるなと言っておいて、こういうときだけ呼ぶんだもの。
私は震えそうになる声を絞り出して、嘘を吐いた。