モノクロ*メランコリック
独占欲と彼への気持ち
「姫宮さん、いる?」
その日の、昼休み。
りさと教室でお弁当を食べていたら、にっこりとした笑顔を浮かべた彼が、私のクラスにやってきた。
「……しんどー、くん…」
「ちょっと、いいかな?」
怖いわよその笑顔!
ハタから見れば王子様スマイルかもしれないけど、私にはわかるわ。
それが、怒ってる時の笑顔だってことくらい…!
「……いってらっしゃい、ミア」
肩を震わせる私の背中を、無慈悲にもりさは押してくる。
いやよ、怖いわよ!
怒った時のシロは、恐ろしいのよ!
「…姫宮さん?」
なかなか席を立たない私を、ドアのそばに立ったシロはやっぱり強い声で呼んでくる。
…嘘を吐いた、罰ね。
いいわよ、受けて立つわ。
観念した私は、仕方なくお弁当を中断した。
シロのもとへ足を進める私を見て、クラス中がざわめく。
…滅多に話さない、私たちだものね。
それが、わざわざシロから呼びに来たんだから。
驚くのも、仕方ない。