モノクロ*メランコリック
先を歩くシロの背中を見つめながら、私は後を追いかけた。
*
「なんで嘘吐いたの、美愛子」
滅多に人が通らない、校舎の四階の小さな空間で。
壁に寄りかかったシロは、腕を組んで私を見つめた。
「………ごめんなさい」
「俺は理由を訊いてるんだけど」
…だから、怖いわよ。
普段穏やかなシロだから、怒るとますます怖い。
…言えるわけ、ないでしょう?
妬いたから、なんて。
「………悪かったわよ…」
少ししょんぼりしてそう言うと、シロは何故か驚いた顔をした。
「どうしたの、やけに素直」
....なによ、それ。
まるで、私がいつも素直じゃないみたいじゃない?
まぁその通りだけれど!!
「…どうもしないわ。謝ってるんだからいいじゃない」
「ちょっと気味悪いよ」
気味悪い!?
むっとして、シロを見上げる。
すると、彼は背の低い私の目線に合わせて、しゃがんだ。