モノクロ*メランコリック


…むかつくわ。

私は、こんなにもやもやしてるのに。

切ない気持ちで、いっぱいなのに。

シロはそうやって、優しく純粋に、綺麗に笑うんだもの。

まっしろで柔らかな、男の子。

…ねえ、シロ。

私がもっと、あなたに近づく存在になったとしたら。


そしたら、あなたのそのしろを、私はくろく染めてしまうのかしら。


嘘ばかりで自分勝手な私は、やっぱりあなたに相応しくない?


「…ねえ」

自然と下がってしまいそうな頭を必死に上げて、私は声を出した。

シロが、優しく目を細める。


「…ん?」

「……最近…仲、良い女の子がいるらしいけど。そういう、関係なの?」


震えそうになる声を抑えて、彼を見つめる。

なんて卑怯なのかしら、私。

こうやって、柳田さんに隠れてシロに訊くなんて。

…ほんと、ずるい。


シロはしばらく、何も言わずに私の顔を見ていた。

とても驚いたみたいで、何を言えばいいかわからない、というかんじ。


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