モノクロ*メランコリック
ちょっと試しに、訊いてみたのよ。
そしたら、あなたがあんな反応をしてくるんだもの。
この数年、まともな進展がなかった私の恋愛にとって、今は重要な時なのよ。きっとそうなのよ。そう信じてるのよ。
「…たっ、たまには、いいかしらと思って」
声が、裏返りそうになる。
ああもうホント、どうしてこうなっちゃったのかしら。
どうした?って、こちらが訊きたいわ。
あの小悪魔…もう悪女でいいわ、あの悪女りさにのせられて、変な事を訊いた私が悪いのよね。
ええ、そうよ、そうかもしれないけど、ね?
…おかしいと、思うのよ。
驚いて眉を寄せていたシロの顔が、私を見て少しずつ変わっていく。
…そう、ね。今の私の顔は、すっごく赤いものね?
だから、笑いそうになっても、仕方ないのよ、きっと。
……ねえ、シロ?
だから、あなた今、そんな、意地悪な笑みを浮かべているのよね?
「………たまには、って、思ったの?」
…昨日と、同じ。
こちらの心を掴んで離そうとしない、そんな意思さえ読み取れるような、あの目。
…男の人の、目。