モノクロ*メランコリック


「……そ、そうよ。りさと話してて、その女の子の事が、ちょっと話題に上がったから。だから訊いてみただけ…よ」

ほら、また。

頭の奥が灼けるように、熱くなっていく。

おかしいわよ、シロ。

あなたからしたら、最近の私も大概おかしいのかもしれないけど。

私からすれば、今のあなたはホントにおかしいのよ。


幼い頃から一緒で、誰よりも多くの表情を知っている自信がある。

そんなあなたの、見たことない顔。

心臓を、鷲掴みにされてる気がするわ、ほんと。

昨日に引き続き、私の命が危険に晒されようとしてるわよ、誰か助けなさいよ。


「……じゃあ、さぁ」


早く、早く。

誰か、助けて。

いつもより低い彼の声が、耳に響いた。


シロの手が、再びこちらへ伸びてくる。

それはまた、私の頬に触れて…


細くて少し骨ばったその指で、私の輪郭を静かになぞっていった。


「……なんでそんな、顔赤いの?」


その妖艶すら感じる笑みに、心臓が痛いほど強く掴まれる。


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