モノクロ*メランコリック


「なによそれぇーー!?」

「いつも美愛子のわがまま聞いてあげてるんだから、たまには俺のわがままも聞いてよ」


コト、と目の前のテーブルに、ホットケーキの皿が置かれる。

けれど、すぐにフォークを持てるはずはなくて。


「それとこれとは話は別よ!てゆーかこれ、わがままじゃないじゃない!」

「わがままだよ。俺にとっては」

「そ、そりゃ、私から話しかけてくるなって言っといて、こんなこと頼むのは悪いと思ってるけど!断られる理由が見当たらないわ!」


じっと、シロを見上げる。

シロはそんな私を見て、目を細めた。

その目は優しくて、それでいて、愛おしいものを見つめるようで。

ドキ、とする。

心臓が、大きく音を立て始める。


けれど、シロの口から零れる言葉は、変わらなかった。



「……悪いけど、やだ。諦めて、美愛子。…ほら、早く食べないと冷める」



じわ、と。

私の目に、涙が浮かんだ。

シロはそれに気づくと、ハッと目を見開く。



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