モノクロ*メランコリック


コーヒーはブラックが好きだし、カルピスよりコーラが好き。

もちろん、学校では飲まないけれど。


マグカップを返して、「ホットケーキ!」と催促する。

シロは再び「えー…」と言った。


「俺、今から読書の時間なんだけど」

「そんなのいつでもできるでしょ!私は今、ホットケーキが食べたいの!」


お願いお願いとしつこく迫ると、やがて彼は「はいはい」と言って承諾してくれた。


「わがまま」


そう言うと、シロはひとくちコーヒーを飲んで、私にマグカップを渡した。

そのまま、リビングへと向かう。

残ったコーヒーを飲みながら、私は彼の後ろ姿を見つめた。


…シロは、私に甘い。

お願いとしつこく言えば、大体折れてくれる。

私がわがままに育ったのは、シロのせいでもあるのだけれど。

そんなことを思いながら、私は彼の後を追った。



お隣さんの私とシロ、そして実は向かいの家に住んでいるりさ。

私たち三人は、生まれたばかりの頃から一緒の、幼馴染だ。


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