モノクロ*メランコリック
「…なに。ケンカでもしてるわけ?」
「………」
「真白、あんた見てすごい苦笑いしてたけど」
「…シロが悪いのよ」
つーんと唇を尖らせると、りさは呆れたような目をして、私を見てきた。
「……あんたはまた……なんで自ら、後退するようなことをするのよ」
「わっ、私じゃないわ!今回は本当に!シロったら意味わかんないの!」
「ハイハイ」
歩き始めたりさの後ろを、ついていく。
昨日のことを、それはそれは熱意を込めて語った。
けれど、りさの目は終始冷めていて。
話し終えたあとの彼女の第一声は、「ふーん」だった。
「ふっ、『ふーん』ってなによぉ!?」
「なんかまた、面白そうなことになってんなーって」
「その割には興味なさげな顔してるわね!?私なんかもう最近、数年ぶりの急展開すぎて参ってるわよ!夜もおちおち眠れやしない!」
「へえ。昨日何時間寝たの?」
「八時間よ!!」
「充分じゃねーか」
私は毎日七時間は寝ないと生きていけない身体なのよ!
健康だから!私ったらすごく健康だから!!