モノクロ*メランコリック
「…っじゃなくてぇ!寝た時間なんてどうでもいいのよ!ねえ、どう思う!?なんで学校で私から話しかけちゃダメなの!?」
頬を膨らませて言ってみても、りさは前を向いたまま「知らないわよ」なんて言う。
ううっ、私の親友は冷たいわ!
「私ってなんて哀れな子…!こんなに可愛くて可愛くて天使なのに…!!」
「哀れな子は自分のこと可愛いとか天使とか言わないのよ。知らないでしょう」
知ってるわよ!!
ふんっとそっぽを向いて、歩く。
なによなによ、ふたりして。
私は、ただ理由が知りたいだけなのに。
それが納得できるかできないかは置いておいて、まず理由を教えてくれないことに怒っているの。
シロったら…なに考えてるのかしら。
どうして、ダメなのよ?
学校に着くまでの間、あらゆる可能性を考えてみる。
そうして、ひとつだけ思いついた有力っぽい説は、私をネガティブの闇へと引きずりこんでいった。
「まっ…まさか……!」
「なに。どうしたの」
「柳田…さん……!?」
「は?」
もしも、もしもよ?
柳田さんとシロが、いい感じになっていて。
学校のお姫様として名高いこの私が、シロへ話しかけに行くことで、柳田さんが誤解をしちゃって。
それを防ぎたいシロは『用があるときは、俺から行く』って言った……と、したら!?