モノクロ*メランコリック


「も、もももうシロの心は………彼女のものってことじゃないのー!!」


ギャー!!と私が叫ぶと、近くの電線に止まっていたカラスがバサバサと飛び立って行った。


「ど、ど、どうすればいいの…!シロが、シロが、私のシロが…!」

「…天使ミアちゃん。学校が近くなってきたけど」

「!!……あはは。ごめんねえ、りさ。ちょっと取り乱しちゃって…」


スパッと切り替えた私に、りさが薄気味悪そうな顔をして「…そう」と言った。


……とにかく、よ。

シロは理由を教えてくれないし、もう勝手に他の対策を考えるしかないわ。

他に、シロとの距離をいち早く縮める、いい方法はないかしら…!


相変わらず、りさが隣で興味のない遠い目をするなか、私は悩み考えていた。






昼休み。

いまいち次の対策も浮かばないまま、お弁当を食べ終わったあとに自販機へ飲み物を買いにいく。

ひとりで。

……ええ、お弁当を食べ終わったあとのりさは、てこでも動こうとしないのよね。

いいのよ、別に。慣れてるし。

また笹原くんたちに会っちゃいそうだし、今日は外にある自販機へ行きましょう。




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