ぶるー。
あたしは高校1年生のときから、凪先輩が好きだった。
漫画みたいに助けて貰ったとかこれといった理由は無いけど、彼がいるだけで幸せ。
藍と凪先輩が付き合い出したのは、ちょうど去年の今頃だった。
2人はずっと前から両思いだったんだって。
ソレを聞いたときは、心が痛んで止まらなくて、しばらく泣いてた。
あれからもうすぐ一年になるのに、全く心の整理が出来ていない…。

「うん、嬉しい!!」
返す言葉が浮かんでこなくて、あたしは携帯をいじり始めた。


だるい数学の授業も終わり、放課後になるとあたしは職員室へ向かった。
「じゃあ親には、言わないつもりなのか?」
修学旅行の事で、担任に呼び出しをくらったのだ。
「はい」
「…本当に、後悔しないんだな?」
「はい」
「じゃあ、その日は学校に来て、課題やって帰ってね」
課題!?休みの時間が増えるぶん、バイトを入れようと思ったのに…
残念そうな顔をしてしょぼくれているあたしに、先生が肩を叩く。
「あんまり無理し過ぎると、かえって駄目になるぞ」
そう言葉を言い残して、去って行った。

「じゃあどうすればいいの…」
当ても無い返事は、誰からもかえってこなかった。


バイトも終わり、7時ごろ家に帰宅。
千菜と祐樹があたしを出迎えてくれた。

「お帰りおねーちゃん!!」
「ただいま」
2人の笑顔に癒されながら、次はご飯を作り始めた。
献立を考える時間が無いから、いつも偏ってる気がするけど…まあいいか。
2人にご飯を食べさせて、お風呂を準備すると、やっと自分の時間。
携帯を開きメールチェックをしたあと、テレビを付けてのんびりすごす。
是永からメールが来ていた。
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