表現する気持ち
クラスメートは彼女への不満が溜まっており、譲らなくなっていった。

やがては手が出るようになり、二人は取っ組み合いをはじめた。

しかし、彼女は感情を昂らせてしまっていた。

彼女の制服の下から赤い石が光り輝くのを、彼女自身気付いていなかった。

完全に頭に血を上らせてしまっていたのだ。

クラスメートの腕を掴み、そのまま窓の方面に投げた。

彼女にしてみては、ただ窓にぶつかればいいと思っていた。

だがクラスメートの体は勢い良く吹っ飛び、ガラス窓を割って、外へ投げ出された。

ガラスの割れる音と、悲鳴が教室中に響き渡る。

生々しい血が窓際にくっきり残った。

「…ウソ…。なん、で?」

彼女は信じられないという顔で、自分の両手を見た。

その様子をクラスメート達は遠巻きに、怯えた表情で見つめていた。

幸いにも教室は二階にあり、落ちたクラスメートは植えてあった植物がクッションとなって、軽症で済んだ。

だが血の量は半端なく、彼女は先生から呼び出された。

しかし自分がやったこととは信じられず、戸惑うばかり。

彼女は結局、謹慎処分となった。
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