表現する気持ち
「わたし、どうなっちゃうんだろう…?」

この先の不安はあった。

親しい人々が離れて行って、寂しい気持ちもあった。

けれど溜まりに溜まった気持ちを、どこにも吐き出せないのが一番辛かった。

誰にも打ち明けられず、押し殺すことしかできないのがイヤだった。

「でもっ…!」

今更クラスメート達に謝るのもイヤだと思う自分がいた。

彼女はまだ、感情を良く理解できていなかった。

だから周囲の人間が離れて入った理由も、よく理解できていなかったのだ。

周囲からどんなに言われても、聞き入れられなかった。

いや、聞き入れたくなかった。

今まではしてくれたのに、いきなりしてくれなかったことに不満を感じたのだ。

その理由が、自分が元気になったことだなんて、納得できるはずがなかった。

彼女は自分が元気になろうがなるまいが、変わらぬ接し方を求めていたのだ。

だがそこの意見が食い違い、あんなことに…。

「何よ…。わたしは悪くない。わたしは元気になりたいって、願っただけじゃない」

願いは叶った。

あの店で買ったネックレスによって。
< 17 / 22 >

この作品をシェア

pagetop