Sweet moment.
片目だけメイクが落とされた可笑しな顔で恐る恐るメールを確認すると、受信BOXにははっきりと「誠也」という名前が記されていた。
その「誠也」という名前を見るだけで妙に動悸が激しくなる。
まるで中学生。
〈こちらこそありがとう。
俺も楽しかった。
また喋ろうな。
莉沙、ゆっくり休めよ。〉
“莉沙”
呼び捨て。
些細な出来事でいちいち動揺している自分が不思議でならない。
初恋の頃のような感情のまま3通のメールのやり取りをした後、私から「おやすみなさい」のメールで終わらせた。
再び、ふぅ…と深い深い溜め息。
誠也から来たメールをもう一度読み返し、口元が緩んだままベッドへ倒れ込む。
そしてそのまま眠りに入った。
誠也の顔を浮かべながら。