Sweet moment.
「男の家に転がり込めばいいのに。
なら家賃も光熱費もかからない。」
「そんな男性が居ればいいんですけどね。」
ウイスキーの水割りを作りながら遠い目をすると、
「夜の女の子ってみんなそう言うんだよね。」
と、疑いの目を向けられる。
これが嘘ならどれだけ幸せか…
と思いながらも、お客さんはだいたい皆同じ事を言うのでこの返しには飽き飽きしていた。
「欲しくないの?」
「欲しいに決まってるじゃないですか!」
一瞬かっとなり、マドラーで混ぜていたロックアイスが一つグラスから飛び出た。
それを見てお客さんは笑う。