シーサイドブルー
制服だが気にはしない。
そのまま砂浜に腰を下ろす。


夕日がやけに眩しい。
…そういえば、彼が私の言葉を受け止めてくれたあの日もこんな夕日だった。


1年も経ったというのに私はあの日を鮮明に思い出せる。


彼の表情も彼の言葉も、何もかも。
恥ずかしい話だが自分が何を言ったのかさえ、覚えている。


結局、彼への想いは言葉にならず、まだこの気持ちとの決着はついていない。


時間はまだまだある。
永遠ではないけれど、また彼に会うまでにはきっと時間が…。





サク、サクッと砂を踏みしめる音が近付く。
私は音のする方へとゆっくり視線を向けた。





「…っ…。」





忘れもしない、穏やかな瞳。そして柔らかな微笑み。










「海風。」


はっきりと私の名前が呼ばれた。

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