シーサイドブルー
「あっちだよ?」
私の手を取ろうとした彼の手が私の手を通り抜けた。
…当然のことだ。彼は…
「っとそうだった。俺死んでたんだっけ。」
『ごめんね』
とそう言う顔がなぜか切なく見えて頭を振る。
そんなのは私には関係がないし、彼の素性にだって興味はない。
「あなた、変わってるわね。」
「そうかな?俺にとっては君の方が変わってるけど。」
「私は変わってないわ。」
「自分では変わってるか変わってないかなんて分かんないよ。
君は君の価値観しか持ち合わせてないんだから。」
そう言って優しく微笑む。
どこか切なさに似たものを靡かせながら。
強い風が吹く。
髪が風に持っていかれる。
「気付くといいね。
君がここにいることの意味…とか。」
そんなもの、いらない。
気付くも気付かないも、元々存在しないものには気付きようがない。
そんな彼にも風は吹いているはずなのに、彼の髪も服も何もかもが微動だにしなかった。
私の手を取ろうとした彼の手が私の手を通り抜けた。
…当然のことだ。彼は…
「っとそうだった。俺死んでたんだっけ。」
『ごめんね』
とそう言う顔がなぜか切なく見えて頭を振る。
そんなのは私には関係がないし、彼の素性にだって興味はない。
「あなた、変わってるわね。」
「そうかな?俺にとっては君の方が変わってるけど。」
「私は変わってないわ。」
「自分では変わってるか変わってないかなんて分かんないよ。
君は君の価値観しか持ち合わせてないんだから。」
そう言って優しく微笑む。
どこか切なさに似たものを靡かせながら。
強い風が吹く。
髪が風に持っていかれる。
「気付くといいね。
君がここにいることの意味…とか。」
そんなもの、いらない。
気付くも気付かないも、元々存在しないものには気付きようがない。
そんな彼にも風は吹いているはずなのに、彼の髪も服も何もかもが微動だにしなかった。