海坊主
海里は、静かに聴いてくれた。
あたしを抱きしめて、泣くなって。
自分でも、驚いたけど泣いていた。
「めぐ。もう、風俗辞めろ。
風俗なんて、お前の身体を傷つけるだけだぞ?」
「……じゃ、どうすればいいの?」
「ここで、暮らそう?」
えっ。
「俺と一緒に、ここで暮らそう。ちょっと田舎だけど、ここで暮らそう」
あたしは、泣きながら「うん」って答えた。
あたしのYESが分かったのか、海里はもっと強く抱きしめてくれた。