海坊主
訪問者
10日が経った。
海里は、帰ってこない。
ろくに、食事も出来ないでいる。
痩せたかな・・・。
冷蔵庫にある、炭酸とヨーグルト。
パンが、あたしの主食をなっていた。
「海里に嫌われること、しちゃったのかな・・・」
なんだろう。
夕食に、海里の嫌いなグリンピースご飯作ったから?
洗濯物、ちゃんと畳まなかったから?
1人、自問自答を繰り返しているあたしを、現実に呼び戻したのはチャイムだった。
あたしは、玄関までの数メートルを全力で駆けた。
海里が帰ってきたと、変な妄想をしてたんだ。
「海里っ、・・・」
じゃなかった。
海里みたいに、黒くない。
逆に、ちょっと白い。
髪の毛も、優しい茶色。
「海里じゃなくて、ごめんね?」
海里の友達かな・・・。
とりあえず、中に入れた。