海坊主


「今日は、本当にありがとうございました」


あたしは和紀さんに、深くお辞儀をした。



「僕の使命だしね。コレ」


手渡されたメモ用紙には、アドレスと電話番号が書いてあった。



「困った時や、海里について聞きたい事があったら連絡頂戴」



聞きたいこと・・・



「あの・・・海里の携帯、なんで繋がらないんですか?」


ずっと、疑問だった。


さっきの話でも、携帯については何も話さなかったし。



「あー・・・それは、2年後、海里に直接聞いて」



「え、和紀さん!」



和紀さんは、逃げるように走った。


その行動の意味は、不明だったが、別にいい。


海里が、頑張っているんだ。


あたしも、頑張る。



< 33 / 58 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop