海坊主
「今日は、本当にありがとうございました」
あたしは和紀さんに、深くお辞儀をした。
「僕の使命だしね。コレ」
手渡されたメモ用紙には、アドレスと電話番号が書いてあった。
「困った時や、海里について聞きたい事があったら連絡頂戴」
聞きたいこと・・・
「あの・・・海里の携帯、なんで繋がらないんですか?」
ずっと、疑問だった。
さっきの話でも、携帯については何も話さなかったし。
「あー・・・それは、2年後、海里に直接聞いて」
「え、和紀さん!」
和紀さんは、逃げるように走った。
その行動の意味は、不明だったが、別にいい。
海里が、頑張っているんだ。
あたしも、頑張る。