海坊主
「すげーだろ、俺の朱里」
「ちょ、和紀!」
まーた、始まった。
和紀さんは、いっつも朱里さんの自慢をする。
朱里さんは、短大を卒業して、今は塾の先生をして働いている。
「海里、やる時はやる男だから」
「だね。瀧くんは、すごい人だしね」
3人は、同じ高校だったという。
朱里さん曰く、海里は負けず嫌いらしい。
「体育祭で、1位と100点差で2位だったの。どうしても1位になりたくて、瀧くん頑張ってたの」
「朱里、俺は?」
彼女が、他の、それも腐れ縁の海里を褒めるのが、嫌なんだ。
「和紀、その時はお腹痛いって言って、保健の先生とイチャついてたじゃん」
あ、朱里さん怒った。
ヤキモチ妬きな朱里さんは、可愛い。
「どーぞ、楽しんでいってください」
2人のラブパワーに耐えられず、その場を離れた。
「めぐちゃーん、あがって大丈夫だよ」
「あ、もう少しで終わるんで」
「よく、働くね」
「まぁ」
お店の人とも、順調だ。
店長や、同じシフトの人とは仲良く出来てる。