白いツバサ
「まったく、辛気臭いガキだよ!」
少年が出て行った方に向かい、ボルケーノは言葉を吐き捨てる。
「まあ、そう言うな」
それを、パイロがなだめる。
「あれで、俺たちの貴重な収入源なんだ」
そう言うと傍(かたわ)らにあった酒瓶をつかみ、そのまま口に運んだ。
それを一気に飲み干すと、無造作に床に投げる。
「だから、もし稼げなかったときは……また体で教えるしかねぇな」
「……それも、そうだねぇ」
そして2人は顔を見合わせ、体を揺らして笑い合った。
不意に、厚い雲の隙間から太陽が顔を出す。
窓から差し込む日差しは、笑う2人を照らし影を作った。
揺れ動く2つの黒い影。
それはまるで、踊り狂う悪魔の宴のようだった。