白いツバサ
「どうしたの?」
その様子に気付いたアクアは、少年の見ている方へと目を向けた。
街から続く、ぬかるんだ道。
その上を歩いてくる中年の男女の姿。
震え出す体を抑えようと、少年は自らの腕を抱き締めるように強く掴んだ。
「あなた、お顔が真っ青よ!? 大丈夫!?」
心配するアクア。
しかし、その声も少年には届かない。
大きく見開いた、少年の瞳に映る者。
それは、紛れもなくパイロとボルケーノ、その人であった。