【企画】マイ ダーリン!
――あたしのイヤな予感は当たった。
開いた口が塞がらないし穴があったら入りたい。いや、むしろ穴を掘ってでも入りたい。
恥ずかしいと言う感情ではなく、隠れたいと言う一心で。
「A大学から来ました武田雄也です。これから2週間よろしくね」
教壇で無駄にスマイルを振り撒く男。
まさか、教育実習の先生が……
――アイツ!?
「…………」
そんなに乾燥していないはずなのにまばたきを激しく繰り返す。
…間違いない。昨日のアイツだ。
女子達の目がハートになっている。
ううん、女子だけじゃなく男子もだ。
それほど、あたしが大嫌いなアイツは魅力的なんだ。