甘くて切なくて、愛おしくて
はっとして我に返ると、佐野さんがあたしを黙ったまま見つめている。
あ、っといけない
「佐野さん、こちらが沢城さんです。あたしのマンションの上に住んでる方で、ユウキ君のお父さんです」
「初めまして」
「沢城さん、こちら佐野さんです、あたしの上司で、ユウキ君をここまで車で連れてきてくれました」
「そうなんですね、すみません、ありがとうございました」
「いえいえ、大丈夫そうで良かったです。ところで沢城さん、少しお時間いいですか?」
「俺ですか?」
「はい、少しだけでいいんです、お願いします」
「..分かりました」