甘くて切なくて、愛おしくて
「あのねぇ、あんたが元気ない事くらい、誰だって知ってるのよ」
呆れながらの答えに美香子にまた視線を戻すと
「ついでに言うと、佐野さん、でしょ?」
え?思ってもみなかった人の名前が出て驚くと、
あたしの反応にびっくりした美香子は二つ目の質問をしてきた。
「え?違うの?」
「そ、れもあるかもしれない..のかな?」
「あるかもしれないってね..だってあんたがおかしいのって
佐野さんがあんたのマンション行ってからじゃないの?」
そうだけど、と答えようとして一瞬考える。
あれ?