甘くて切なくて、愛おしくて
「やっぱりあんたの事好きなのかもね..」
どうしてもその結論に持っていきたいのね、あんたは...
呆れながらアイスティーを一口飲んだ。
氷は既に融け切っているからか、味が薄い。
「その..沢城さんに避けられてるってさ、実際はどんなふうに避けられてるの?」
言われて思い返してみる。
確かにあたしの思い過ごしなのかもしれないくらい些細な事かもしれないけれど。
例えばエレベータの中で会っても、前は挨拶してちょっと喋ってだったのに、今は挨拶すらあたしがしないとしてくれなくて。
そればかりじゃない。
沢城さんに“俺達の事はもう構うな”って言われた。
最初はこの前の熱の事を気にして言ってるのかなって思ったんだけど。
どうやらそういう感じではないみたいで..
今のあたしの現状を理解したのか、美香子は最後のアイスティーを口に含んで飲み込んでから口を開いた。