甘くて切なくて、愛おしくて
流石は高級レストラン。食事は美味しいし、ワインも美味しいし、食後のデザートだって文句のつけようもないくらい美味しかった。こんなのあたしの給料じゃとてもじゃないけれど食べられない。一つ一つを味わうようにしっかり食べた。
食後のコーヒーが運ばれ、お腹もいい具合にいっぱいになった頃、一番気になっていた事を聞いてみた。
「佐野さん、あの時沢城さんと何を話したんですか?」
多分お酒が入ってるからっていうのもあるんだと思う。意外とすんなり口にする事は出来た。
佐野さんはカップをゆっくりソーサーの上に置いてから両肘と立てて顎を置きながら冷静に答えた。