甘くて切なくて、愛おしくて
「あ、あはは..すみません..何か入っていけなくて~」
「お前酔ってるな、顔赤いぞ?」
「そ、そんな事ないですよ、ちゃんとしっかりしてるつもり、です」
「つもり、だろ?酒臭いし。ったく年頃の女が一人で酒なんか飲むんじゃねぇよ」
「なっ!失礼なっ!あたしだって男の人とくらい飲みますよーだ!」
いーっと顔をしかめると急に沢城さんの顔つきが変わった。
ぐいっと腕を引っ張られ、前に進んでいた足が止まる。
「この前のあいつか」
「誰だっていいでしょ?沢城さんには関係な..」
急に掴まれた腕がひしひしと痛む。沢城さんの顔を見ようとするけれど、横を向かれていてうまく表情を伺う事が出来ない。
「い、痛いんですけど」
「悪ぃ」
さっと腕が放れると同時にまた胸が痛んだ。