甘くて切なくて、愛おしくて
出来上がった資料を束ねていく美香子。どうやら資料作りは終了していたらしい。
「誰だって辛い恋をするのよ、その大きさは人それぞれだし、様々よ。しかも好きになる人なんて毎回同じパターンなんてないしね。毎回誰だって辛くて苦しい思いをするものなのよ、それが片想い、ってやつじゃないのかしら?」
「う、ん」
「あんたが辛いと感じるのは沢城さんがバツイチだから?奥さんが亡くなってるから?それとも子供がいるから?」
「ユウキ君の事は関係ない、でも..」
「あんたのしている恋は確かに覚悟は必要かもしれないわ。でも色々考えてもやっぱり思わずにいられないのなら、それは覚悟が出来ていると同じだと思う」
「美香子..」
「人の恋は十人十色よ。それに人は恋をしないと生きてはいけないのよ」