甘くて切なくて、愛おしくて
沢城、さんが..どうして此処にいるの?
「ごめん、実はさっき会ったんだ。沢城さん、仕事に行く前にすみませんね、こんな事に付き合わせてしまって」
「いえ..別に..」
今のこの状況を佐野さんの説明だけじゃ物足りないのか、頭の中が真っ白になる。
「単刀直入に聞きますが、沢城さんは彼女の事が好きなんですか?」
佐野さんの言葉に沢城さんがあたしへと視線を向けてまっすぐ見つめる。
綺麗な瞳は、相変わらず吸い込まれそうなくらい綺麗で。同時にドキドキしてきた。
沢城さんの答え..は
ぐっと拳を作ったその時信じたくない言葉が耳に入った。
「俺には関係ないっすよ、こいつが誰を好きでも俺には関係ありませんから、どーぞご自由に」
沢城さんはそれだけ言うと、くるりと反対を向いて歩きだす。
「ま、待って下さいっ!!」