甘くて切なくて、愛おしくて
今日は出来れば放っておいてほしいのに。
何で今日に限ってこんなに優しくしてくれるんだろう?
「別に、何もありません。そういう沢城さんこそ..」
「俺がなんだよ」
じろりとこちらを睨むように見てくる。
「今日は、熱でもあるんじゃないですか?」
「何で?」
「だって優しいから」
あたしの答えに一瞬驚いた顔をして、それからまた不機嫌そうな顔に戻った。
「悪かったな、職業病みたいなモンなんだよ、こういうの」
「なにそれ、職業病って?」
「俺、学校の先生だからな、だからそういう顔してる生徒放っておけない
ンだよ」