甘くて切なくて、愛おしくて
「ありがと、ございます」
「何か気持ち悪ぃな」
「なんですか、それ、人がせっかく
素直に感謝の気持ちを述べているのにっ!」
「だって本当の事だろ?」
「失礼な、大体初めて会った時から...」
この親子は本当に不思議。
あたしの悩みも、悲しみも、苦しみも。一言言葉をくれるだけで、
こうして元の自分になれる。
と、同時にまたも心臓の音が高鳴るのを感じた。
それは確実に、速いスピードで体中を鳴らしている。
どうして、こんな気持ちになるんだろう。
「どうした?」