甘くて切なくて、愛おしくて


「ありがと、ございます」


「何か気持ち悪ぃな」


「なんですか、それ、人がせっかく
素直に感謝の気持ちを述べているのにっ!」


「だって本当の事だろ?」


「失礼な、大体初めて会った時から...」



この親子は本当に不思議。



あたしの悩みも、悲しみも、苦しみも。一言言葉をくれるだけで、
こうして元の自分になれる。


と、同時にまたも心臓の音が高鳴るのを感じた。



それは確実に、速いスピードで体中を鳴らしている。



どうして、こんな気持ちになるんだろう。



「どうした?」


< 83 / 268 >

この作品をシェア

pagetop