甘くて切なくて、愛おしくて
あぁ、きっと今日も遅刻だ、とか、電車混んでるな、とか一瞬だけ違う事が頭を過ぎるけれど、それでも一番大事なのは今、この時なのだ。ここで引き下がったらきっとユウキ君はこれからも我慢しないといけなくなる。
きっとこうやって沢山我慢してきたんだ。
その姿が少しばかりあたしと重なって、
だからこんなに親身になってしまうんだろうか。
すぐに出せない答えをぐだぐだ考えてたって仕方ない。
「確かにユウキ君は突進していきましたよ、あの“タケ”ちゃんに。でも誰だって大好きな人をばかにされたりしたら嫌になりますよ!」
「ぷっ」
「ふっ」